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2007年01月18日

正真館道場

日本のマーシャル・アート(武道)は武士道の一環であり、その根元より古来伝統を重んじるものである。

この古来から伝承される形を錬磨することにより、技の更なる理解を深めるよう修業するところが正真館道場である。

正真館では、日本古来の伝統を尊重し、正しい練習と交流がしやすい雰囲気、良い環境で日本武道を修業する。

日本語の≪館カン≫は、やかた、場所のことで(我々の道場とも等しい意味を持つ)、正真とは、正しく、真実の武道を修業できるやかた館(道場)という意味である。

正真館道場は、ジャック・マルシィアノを含む4名のフランス人により、古来伝統を尊重した日本武道を修業することを目的として1989年に創立された。

12年間の道場運営は、居合道、特に無双直伝英信流と密な関係があった。それは、フランスの道場では異例といえる、池田茂夫恩師、無双直伝英信流8段範士との運命的出逢いから始まった。

池田茂夫恩師は、京都に生まれ、師の叔父、岩井三郎先生が指導されていた乙訓道場で年少のころから剣道を修業し、日本刀への激しい情熱から自然に居合の道へ。

1989年、長年の日本武道修行者で、居合に熱狂的な興味を抱くジャック・マルシィアノと池田茂夫恩師との運命の出逢いと終わりのない師弟関係が始まった。

この時より、池田茂夫恩師は全力でジャック・マルシィアノとその生徒達の居合指導に専念した。そのあまりの情熱と寛大さに永遠の敬意を表す。
長年の間、池田恩師のご家族はジャック・マルシィアノを家族の一員として受け入れ、マルシィアノは池田恩師の熱狂的な指導を受けた。全てが最善の人生への見習いの場であった。池田茂夫恩師はジャック・マルシィアノの上達のために全力を投球した。修行の機会は頻繁にあった(年平均4~5回の来日)。さらに、数知れない電話やファックス、手紙などの通信機関を通じての指導、それはテクニック的な説明のみならず人生や人間としての教育にも及んだ。

このような先生との関係のお陰で、正真館道場はフランス、ヨーロッパでの伝統的日本武道を嗜む者が必ず立ち寄る場所となった。やはり池田茂夫恩師の人網で定期的に日本空手のナショナルチームや剣道のチームがパリへ訪れる際の訪問場ともなった。有名な先生方も、このフランスにある日本古来道場へと足を運んだ。
新聞、雑誌、専門誌の数多い記事、さらにテレビでもこのパリの≪プチプライベート道場≫が紹介されるほどとなった。

正真館道場は、1994年6月9日木曜に無双直伝英信流第21代目宗家、福井虎雄先生を迎えた。同宗家はこの訪問の数ヶ月前に日本で無形文化財を受賞されたばかりであった。この訪問は、本当に特別な出来事だった。

この訪問の機会に、21代目宗家、福井虎雄先生は正真館道場を無双直伝英信流の正統門下道場とされた。

1994年8月28日、日本武道館での池田茂夫恩師とジャック・マルシィアノの模範演武の際、橋本龍太郎元総理と出会う。その後、橋本龍太郎氏は1998年9月に正真館道場を訪れた。

1998年、池田茂夫恩師は身体的に居合を続けるのがむずかしい重い病にかかった。にも拘らず、練習には以前にも増して同席された。何人かの生徒は池田先生が刀を抜くところを見ることがないまま、先生の指導の下、練習を重ねていた。

1999年、正真館道場は当時の松浦日本大使(その後ユネスコ事務局長となる)を迎え、盛大な創立10周年記念パーティーを開催。

2000年6月、福井虎雄宗家 他界。

2001年5月のことだった、池田茂夫恩師はさらに体が不自由になっていた、そんな時ジャック・マルシィアノを岐阜の英信流範士10段、故福井虎雄元宗家の子息、福井正孝先生宅へ連れて行く決心をした。池田先生は、この訪問で福井先生に自分にもしものことがあったら、我が弟子、ジャック・マルシィアノを宜しくお願いしたいと申し出た。

病気との懸命な闘いの末、池田茂夫恩師は2001年7月24日に永眠した。
福井正孝先生は、その後は2か月に一度位のペースで修行のため訪れるジャック・マルシィアノの指導にあたる。

最後に、正真館道場10周年記念パーティーの際のジャック・マルシィアノの言葉で本章を終わりとする。

≪ 本日の祝賀会を、私の恩師である居合道無双直伝英信流8段範士、池田茂夫先生に捧げたいと思います。先生に心からお礼を申し上げたいのですが、あまりに恩義がありすぎて言葉ではこの気持ちを表わすことができません。先生に対する私の敬意は完全不屈なものです。先生は、私が精神面、技法面で絶えず上達するよう惜しみなく努力をして下さいます。いつか先生の寛容が報われますよう望んでいます。 ≫

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